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チーク材の彫刻入りR型引き戸

8月8日日曜日、Kさんが来店してくれました。K邸は、6月に着工して7月末に上棟した家です。今回来店してくれたのは、玄関からリビングへのドアについての打ち合わせです。K邸は、リビングの中に八畳の和室が書院付きで重厚に構える設計です。もちろんリビングは洋室の仕様となるため、このドアが室内全体のバランスを取るために、大きなポイントになって来るからです。
書院付き和室は、ケヤキの7寸柱3本とケヤキの差し梁2本を漆で仕上げる豪華なつくりです。私がKさんにお勧めしたのは、チーク材の彫刻入りのR型引き戸です。このR型ドアは現在の展示場に使われていないため、特に実物のRドアを見ていない奥様が、ドアのイメージがつかめないため、11年前につくられたOさんの家にご案内することになりました。
O邸は、リビングはカリンの床と漆喰壁、吹き抜けの天井は杉の無垢板で、このR型の引き戸で玄関を挟んで和室とバランスよく調和して、自然素材特有の「年数が経過するほど味わいが増す」状況になっていました。
11年経過した自然素材の本当のよさを目のあたりにして、R型ドアのデザインや品質、このドアを使いやすさを重視した引き戸に設計する斬新さなど、即気に入っていただきご夫婦そろってものすごく満足していただきました。
また、Oさんとは住み心地や使い勝手など、いろいろと話も弾みました。そして、11年経過した床や漆喰壁のきれいさに改めて自然素材のよさを理解していただけました。後日、K邸の現場写真で見ていただきたいと思います。


カリンの床材に植物油を塗ると、最初は見栄えがよくありません。極端な言い方をすると赤黒くて艶もないため、汚いと表現する人もいるくらいです。しかしこの「醜いアヒルの子」が5~6年後には、見違えるばかりの艶が出て、赤黒い汚い色が黄色みを帯びた、なんとも言えない自然の美しさを見せてくれます。
この床の手入れは非常に簡単。床が汚れたら雑巾を固く絞った水ふきでOK できることなら、ひと瓶1000円くらいの小さな椿油を布にしみこませ、乾拭きしてください。この布は、タッパーで保管すれば何回でも使えます。また床にシミが付いてしまった場合、その部分に椿油をつけ、目の細かいペーパーで軽くこするだけできれいになります。
カリンの床は衝撃や傷に強く、かなり荒っぽい使い方をしても平気です。また「温水式床暖房」に対応できる、ごく限られた無垢の貴重な床材です。
現在一般に使われているフローリング材は、取り付けたときが最高にきれいに見えるように加工されています。しかしこのきれいさは何年も持ちません。それは表面に塗られた化学塗料が、光や熱のエネルギーを受け続けて化学分解するからです。この劣化現象による空気汚染が、目には見えない揮発性有機化合物(VOC)によるものです。私たち人間の五感では防御できない、忍び寄る「見えない危険」となります。
また、フローリングの平均耐久年数は約25年程度と考えるべきでしょう。カリンの床材の800年前後と、まったく比較にならない耐久年数の短さです。
by hokushin-f | 2005-08-09 18:35 | 自然素材
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