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TI さんの敷地条件や家族構成、住み方に対する間取り提案

TI さんの8月13日の続きです。このときはIさんとの出会いを紹介しましたが、今日はプランの提案について紹介します。
まず、TI さんの宅地が南北に細長く北道路のため、宅地としては条件があまりよくない土地形です。そして、家族構成が50歳代後半のご夫婦と、子供さん二人、奥様のご両親の6人家族です。Iさんのご希望は、基本的にはご夫婦とご両親を主体にした、二世帯住宅の設計です。

私が TI さんに提案したのは「老後自己防衛しながら一生住める家」を設計の第一ポイントに考える家つくりでした。
一般的な高齢者用の施設などを見ると、床の段差がないバリアフリーや、出入り口を車椅子の通れる幅の確保。そして、手すりの充実を図るなど、官製が定めた行政主導型に則ったやり方が幅を利かせています。

私が提案する「老後自己防衛しながら一生住める家」は、今までに例がないまったく新しい発想から生まれています。

私たち生態が生きるためには、3つの重要な要素が必要です。

その1つとして、空気です。動物細胞は空気中の酸素をエネルギーとして消費します。細胞は酸素を数分間絶たれると、死に至ります。脳血栓や脳梗塞など血流による酸素補給が絶たれることで脳障害が起き、身体動作に大きな影響をもたらします。最近のニュースで、ロシアの潜水艇が海底のワイヤーに引っかかり、イギリスの無人潜水艇に救助されましたが、酸素残有量が後6時間と危機一髪の状況でありました。

その2として、食物摂取による細胞内に保存蓄積する栄養素です。この栄養素の炭素が呼吸作用によって取り込まれた酸素と結合して、人体60兆個を上回る細胞一つひとつのエネルギー源となります。紛争地やアフリカなど、また天候異変がもたらす食糧不足は、人類が抱える大きな問題です。

その3として、生態が生きるためには排泄行為が、ものすごく重要である事の認識です。空気と食料の重要性は誰でもすぐ理解できます。しかし、排泄行為についてはかなり無頓着であると言えるでしょう。
極端な言い方かもしれませんが、オムツをあてる介護は生態が持つ排泄行為を無視した残忍な介護ではないでしょうか。「排泄の快楽」はふだん誰しもが経験している、生きるためのひとつの要素ではないかと思います。

これらの3つの重要な要素を理論化すると共に実用化をしています。

その1の空気については、森林にほぼ近い空気環境の提案です。森林浴をしたときに感じる「気持ちよさ!」をはじめ、安眠効果や目覚めたとき頭がスッキリしているなど、室内空気環境の違いによって、受ける事で実感できます。
これらの症状は、脳細胞が活性化できる酸素の補給に「森林浴のできる家+全室床暖房」の家の室内空気環境が、大きな役割を果たしています。
何故このような現象が生まれるのか? 床・壁・天井に使われる自然素材が、空気の温度差による湿度容量変化から、マイナスの電荷を帯びた空気環境が生まれてくるからです。

その2の食物摂取については、農薬問題や遺伝子組み換え作物など、また未知的被害が懸念されるBSEなど、充分注意を重ねた食物摂取に気を配るべきでしょう。

その3として、排泄行為の重要性です。現在元気でどんどん動いている人、オムツをあてがわれた自身を想像した事がありますか? 生きるためには空気と食べ物は絶対必要です。そして、排泄行為もそのときが来てからでは手遅れになります。
92歳で1年半寝たきりの高齢者が、わずかに残った腕の力だけでトイレに行ける工夫をする事で、ゆっくりではあるが、壁伝いに動けるまで回復した、とても信じられないような実例があります。

家を設計すると言う事は、最低でも自身の高齢期まで視野に入れなければなりません。この続きは、次の機会に書きたいと思います。
by hokushin-f | 2005-08-24 19:05 | 老後住める家
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